「銀歯ではなく、白い歯にできますか?」

歯の治療をするとき、このように希望される患者さんが増えています。
以前は、奥歯の詰め物や被せ物というと金属が一般的でした。
しかし現在は、健康保険を使って白い材料を選べる範囲が広がっています。

ただし、「保険で白くできる」ということと、「どの歯でも同じ材料で、同じように治療できる」ということは別です。
歯の位置、むし歯の大きさ、噛み合わせ、残っている歯質の量などによって、適した治療方法は異なります。

 

 

小さなむし歯に使うコンポジットレジン

比較的小さなむし歯では、「コンポジットレジン」という歯科用の白い樹脂を詰める治療が行われます。

むし歯の部分を取り除き、歯に近い色の材料を直接詰めて形を整えます。
多くの場合、1回の治療で終了し、金属の詰め物に比べて歯を削る量を抑えやすいことが特徴です。

一方、むし歯の範囲が広い場合や、強い力がかかる奥歯では、レジンだけでは割れたり、すり減ったりする可能性があります。
また、時間の経過とともに着色や変色が起こることもあります。
そのため、「白くできるか」だけではなく、その歯が受ける力や修復範囲を考えて判断する必要があります。

 

 

CAD/CAMでつくる白い詰め物・被せ物

保険診療で使われる白い歯として、近年よく知られるようになったのが「CAD/CAM冠」と「CAD/CAMインレー」です。

CAD/CAMとは、歯型などの情報をもとにコンピューター上で形を設計し、樹脂とセラミックの成分を含むブロックなどから詰め物や被せ物を削り出す方法です。
前歯や小臼歯に加え、大臼歯にも保険適用の範囲が広がっています。

金属を使用しないため、口を開けたときに目立ちにくく、金属アレルギーの心配を減らせることも利点です。
近年、保険診療におけるCAD/CAM冠の使用は大きく増加しています。
厚生労働省の資料によると、2024年には全部金属冠を上回り、CAD/CAM冠が被せ物の算定回数の約59%を占めています。(mhlw.go.jp)

 

 

保険の白い歯にも条件があります

CAD/CAM冠は、すべての歯に無条件で使えるわけではありません。
使用する歯の位置や材料の種類、噛み合わせの状態などに、保険適用上の条件があります。

特に奥歯では、その歯だけでなく、反対側や前後の歯がどのように噛み合っているかも重要です。
2024年度の診療報酬改定では、大臼歯に対するCAD/CAM冠の適用範囲が広がりましたが、症例によっては一定の咬合条件が求められます。(mhlw.go.jp)

また、歯ぎしりや食いしばりが強い方、噛む力が集中しやすい方、被せ物を支える歯質が十分に残っていない場合には、割れや脱離のリスクを考慮しなければなりません。
白い材料を選べる歯であっても、それがその患者さんにとって最も長持ちする方法とは限らないのです。

 

 

自由診療のセラミックとは何が違うのでしょうか

保険診療のCAD/CAM冠と、自由診療で使われるセラミックやジルコニアは、どちらも白く見えますが、同じものではありません。

保険診療では、使用できる材料や治療方法、適用条件が定められています。
CAD/CAM冠は主に樹脂を含む材料でつくられるため、天然歯の色調や透明感の再現、耐摩耗性、変色のしにくさなどでは、自由診療のセラミックと差があります。

一方、自由診療では、歯の位置や噛む力、周囲の歯の色に合わせて材料を選びやすく、色調や形もより細かく調整できます。
ただし、自由診療だから必ず長持ちする、保険診療だからすぐに壊れるという単純な違いではありません。
どの材料でも、削り方、接着操作、噛み合わせの調整、その後のセルフケアやメインテナンスが耐久性を左右します。

 

 

「白くすること」より「歯を守ること」が目的です

白い歯は、口元の印象を自然にし、金属を使わないという点でも魅力があります。
しかし、治療の目的は材料を白くすることではなく、その歯をできるだけ長く使える状態にすることです。

むし歯の大きさ、歯の位置、噛む力、歯ぎしりの有無、清掃状態まで確認したうえで、コンポジットレジン、CAD/CAM修復、金属、自由診療のセラミックなどを比較することが大切です。「保険で白くできますか」と遠慮なくご相談ください。
そのうえで、見た目だけに偏らず、歯を守るために適した方法を一緒に考えていきます。

参考資料・参考文献:「令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】」「令和6年度歯科診療報酬改定の主なポイント」「歯科医療その1」「疑義解釈資料の送付について(その10)」「別添2 歯科診療報酬点数表に関する事項」

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冷たい水やアイスを口にした瞬間、歯が「キーン」としみる。
痛みはすぐに治まるものの、冷たいものを避けるようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この症状でよく知られているのが「知覚過敏」です。
しかし、冷たいものがしみる原因は知覚過敏だけではありません。
むし歯や歯の亀裂、詰め物の劣化などが隠れていることもあります。

今回は、冷たいものが歯にしみる仕組みと、考えられる原因についてご紹介します。

 

 

歯がしみるのは、象牙質が刺激を伝えるから

歯の表面は、身体の中でも特に硬い「エナメル質」に覆われています。
その内側にあるのが「象牙質」です。

象牙質には、歯の中心にある神経へ向かって伸びる細い管が無数にあります。
エナメル質や歯ぐきによって守られている間は、通常、冷たいものが触れても強い刺激は伝わりません。

ところが、何らかの理由で象牙質が露出すると、冷たいものによって管の中の液体が動き、その刺激が神経に伝わります。
これが、歯が一瞬「キーン」とする主な仕組みです。
現在は「動水力学説」と呼ばれる考え方が、象牙質知覚過敏の仕組みとして広く受け入れられています。(pmc.ncbi.nlm.nih.gov)

 

 

象牙質が露出する原因

象牙質が露出する代表的な原因の一つが、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」です。

歯周病や加齢だけでなく、力を入れすぎた歯磨き、硬い歯ブラシの使用、食いしばりや歯ぎしりなどが関係することもあります。
歯ぐきが下がると、それまで隠れていた歯の根元が露出します。
歯の根元はエナメル質で覆われていないため、刺激に敏感です。

酸性の飲食物にも注意が必要です。
炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘類、酢を多く使った食品などを頻繁に摂ると、歯の表面が少しずつ溶けることがあります。
これを「酸蝕症」といいます。

歯磨きの力、食生活、歯ぎしりなど、複数の要因が重なって症状が現れることも珍しくありません。

 

 

「冷たいものがしみる=知覚過敏」とは限りません

知覚過敏の場合、一般的には冷たいものや歯ブラシが触れたときに鋭く痛み、刺激がなくなると比較的短時間で治まります。

一方、次のような状態でも冷たいものがしみることがあります。

  • むし歯
  • 歯に入った細かな亀裂
  • 詰め物や被せ物の隙間、劣化
  • 歯の神経の炎症
  • 歯周病による歯ぐきの退縮
  • ホワイトニング後の一時的な症状
  • 歯科治療後の一時的な反応

知覚過敏は、ほかの歯の病気では説明できない場合に診断されます。
症状だけで自己判断するのではなく、原因を確認することが大切です。(pmc.ncbi.nlm.nih.gov)

 

 

自宅で気をつけたいこと

歯がしみるときは、硬い歯ブラシで強く磨くことを避け、やわらかめの歯ブラシを軽い力で動かしましょう。
汚れを落とそうとして強く磨くと、歯ぐきや歯の表面に余計な負担をかけることがあります。

知覚過敏を抑える成分が配合された歯磨き剤を継続して使用する方法もあります。
ただし、歯磨き剤で一時的に症状が軽くなっても、むし歯や歯の亀裂が治るわけではありません。

また、酸性の飲み物を長時間かけて少しずつ飲む習慣や、就寝前に飲む習慣がある方は、摂り方を見直してみましょう。

 

 

歯科医院では原因に合わせて対応します

知覚過敏には、しみる部分に薬剤を塗布する方法や、露出した象牙質を材料で覆う方法があります。
歯ぎしりや食いしばりが関係している場合には、歯の摩耗や亀裂、噛み合わせなども確認します。

むし歯、歯周病、詰め物の不具合などが原因であれば、それぞれに応じた治療が必要です。

特に、痛みが長く続く、何もしていなくても痛む、夜中に痛む、噛むと痛い、歯ぐきが腫れているといった場合は、知覚過敏ではなく歯の神経や歯周組織に問題が起きている可能性があります。
早めに歯科医院を受診してください。

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高田馬場で歯のしみが気になる方へ

冷たいものがしみる症状は、歯から送られてくる小さなサインです。
「知覚過敏だから」と決めつけて放置すると、むし歯や歯の亀裂などの発見が遅れることがあります。

高田馬場駅近くのいなげ歯科では、しみる場所だけを見るのではなく、むし歯、歯周病、歯ぐきの退縮、歯のすり減り、亀裂、詰め物や被せ物の状態などを確認し、原因に応じた対応をご提案します。

高田馬場駅周辺で歯医者をお探しの方、冷たいものを飲んだときの歯のしみが気になる方は、お気軽にご相談ください。

 

 

執筆・監修:いなげ歯科 院長 稲毛寛彦

代表的な文献・エビデンス

  • Canadian Advisory Board on Dentin Hypersensitivity. Consensus-based recommendations for the diagnosis and management of dentin hypersensitivity. J Can Dent Assoc. 2003.
  • Holland GR, et al. Guidelines for the design and conduct of clinical trials on dentine hypersensitivity. J Clin Periodontol. 1997.
  • Liu XX, et al. Pathogenesis, diagnosis and management of dentin hypersensitivity: an evidence-based overview for dental practitioners. BMC Oral Health. 2020.
  • Grover V, et al. ISP Good Clinical Practice Recommendations for the management of dentin hypersensitivity. J Indian Soc Periodontol. 2022.

 

鏡を見たときに、「以前より歯が長くなった気がする」「歯と歯の間のすき間が目立つようになった」と感じたことはありませんか。

それは、歯が伸びたのではなく、歯ぐきが下がって歯の根元が露出してきたためかもしれません。
この状態を歯科では「歯肉退縮」といいます。

歯ぐきが下がると、見た目が変わるだけでなく、冷たいものがしみる、根元にむし歯ができやすくなる、歯ブラシが当たると痛むといった問題が起こることがあります。

今回は、高田馬場の歯医者「いなげ歯科」が、歯ぐきが下がる原因と、これ以上進行させないための対策についてわかりやすく解説します。

 

 

歯ぐきが下がる「歯肉退縮」とは

健康な状態では、歯の根はあごの骨と歯ぐきに覆われています。
ところが、何らかの理由で歯ぐきの位置が下がると、本来は見えていなかった歯の根元が露出します。

歯ぐきの厚さや形には個人差があります。
一般的に、歯ぐきが薄く、歯と歯ぐきの境目が放物線状に見える人は、歯ぐきが下がりやすい傾向があります。
一方、歯ぐきが厚く、歯と歯ぐきの境目が比較的平らな人は、歯肉退縮が起こりにくい傾向があります。

ただし、鏡で見ただけでは正確に判断できません。
歯ぐきの厚さだけでなく、歯を支える骨の状態や歯周病の有無まで確認する必要があるため、気になる場合は歯科医院で診査を受けることが大切です。

 

 

歯ぐきが下がる主な原因

歯ぐきが下がる原因は一つではありません。
歯周病、歯ぐきや骨の厚さ、歯並び、矯正治療、加齢、喫煙、日常の歯みがきなど、複数の要因が重なって起こることがあります。

なかでも注意したいのが歯周病です。
歯周病が進行すると、歯ぐきに炎症が起こり、歯を支える骨が少しずつ失われます。
治療によって炎症や腫れが改善すると、腫れていた歯ぐきが引き締まり、以前より歯ぐきが下がったように見えることもあります。

これは治療によって歯ぐきが悪くなったのではありません。
歯周病ですでに失われていた骨の位置に合わせて、歯ぐきが落ち着いた結果です。
歯周病の治療が遅れるほど骨の喪失が大きくなり、治療後の歯肉退縮も目立ちやすくなります。

 

 

強すぎる歯みがきにも注意が必要です

歯をきれいにしようとして、歯ブラシを歯ぐきに強く押しつけていないでしょうか。

硬めの歯ブラシを使い、強い力で同じ場所を長時間みがき続けると、歯ぐきを傷つける要因になります。
特に歯ぐきが薄い人や、歯が外側に傾いている部分では注意が必要です。

ただし、「歯ブラシが強いと必ず歯ぐきが下がる」と単純に断定することはできません。
歯肉退縮は、歯ぐきの厚さ、骨の形、歯並び、炎症などが関係する多因子性の変化だからです。

大切なのは、汚れを残さないことと、歯ぐきを傷つけないことの両立です。
自己流で力を弱めるだけでは、今度はプラークを十分に落とせなくなる可能性があります。
歯科医院で、ご自身に合った歯ブラシの選び方や動かし方を確認してもらいましょう。

 

 

歯ぐきが下がると起こりやすい問題

歯ぐきが下がると歯が長く見え、歯と歯の間に黒い三角形のようなすき間が目立つことがあります。
しかし、問題は見た目だけではありません。

歯の根元は、歯冠部を覆うエナメル質とは異なり、刺激に弱い象牙質やセメント質で覆われています。
そのため、歯ぐきが下がって根元が露出すると、冷たいものや甘いものがしみる「知覚過敏」が起こりやすくなります。

また、露出した根元はむし歯になりやすく、これを「根面う蝕」といいます。
根面う蝕は気づきにくいうえに進行しやすく、治療が難しくなることもあります。

 

 

これ以上、歯ぐきを下げないために

まず必要なのは、歯ぐきが下がった原因を調べることです。
歯周病があれば、歯石やプラークを取り除き、炎症をコントロールします。
強すぎる歯みがきが疑われる場合は、歯ブラシの硬さ、持ち方、力のかけ方、動かす幅を見直します。

歯ブラシは手のひらで握り込まず、鉛筆を持つように指先で軽く持つと、余計な力が入りにくくなります。
大きくゴシゴシ動かすのではなく、小さな幅で丁寧に動かすことも大切です。

歯ブラシの毛先が大きく開いている場合は、力が強すぎる可能性があります。
ただし、適切なみがき方は歯並びや歯ぐきの状態によって異なります。
定期検診の際に、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けることをおすすめします。

 

 

下がった歯ぐきは元に戻せるのでしょうか

一度下がった歯ぐきは、原因を取り除くだけで自然に元の位置まで戻るとは限りません。
ただし、状態によっては治療によって見た目や症状を改善できる場合があります。

歯と歯の間のすき間が目立つ場合には、コンポジットレジンと呼ばれる歯科用樹脂を歯に加え、歯の形を整える方法があります。
また、セラミックの薄片を歯に接着する方法や、すでに被せ物が入っている場合には、その形を調整してすき間を目立ちにくくすることもあります。

歯ぐきそのものを増やす治療としては、口蓋などから採取した組織を移植する「歯肉移植術」などがあります。
ただし、歯周病の進行度、歯を支える骨の状態、歯肉退縮の位置や範囲によって、期待できる改善の程度は異なります。

見た目だけを整える治療と、歯ぐきそのものを回復させる治療は目的が違います。
治療方法については、メリットだけでなく、限界やリスクについても説明を受けたうえで検討することが大切です。

 

 

歯が長く見えたら、早めにご相談ください

歯ぐきが下がっていても、必ず治療が必要とは限りません。
進行していない場合には、歯みがきの改善と定期的な経過観察で対応できることもあります。

一方で、歯周病が進行している場合や、知覚過敏、根面う蝕、歯ぐきからの出血などがある場合には、早めの対応が必要です。

高田馬場で歯医者をお探しの方、歯が長く見える、歯ぐきが下がってきた、歯の根元がしみると感じている方は、いなげ歯科へご相談ください。
歯ぐきだけを見るのではなく、歯周病、歯並び、歯を支える骨、毎日の歯みがきなどを確認し、一人ひとりのお口に合った対応をご提案します。

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エビデンス

歯肉退縮の原因や治療については、以下のような論文・国際的なコンセンサスレポートが参考になります。

「天然歯における歯肉・歯槽粘膜の状態」
Cortellini P, Bissada NF. 2018

「歯みがきによる外傷と歯肉退縮・非う蝕性歯頸部欠損との関連」
Heasman PA, et al. 2015

「歯肉退縮に対する歯根面被覆治療」
Chambrone L, et al. 2015

※歯肉退縮は、歯周病、歯ぐきの厚さ、歯並び、歯みがきなど、複数の要因が関係して起こります。
原因や適切な治療方法は一人ひとり異なるため、歯科医院での診査が必要です。

 

 


 

「朝起きると顎が疲れている」

「頬やこめかみが重く感じる」

「口を大きく開けにくいことがある」

このような症状はありませんか?

その原因の一つとして、睡眠中の食いしばりや歯ぎしりが考えられます。

高田馬場駅近くのいなげ歯科では、むし歯や歯周病を治療するだけでなく、大切な歯を長く残すための予防歯科に力を入れています。

今回は、朝起きたときに顎が疲れる原因と、食いしばり・歯ぎしりとの関係についてご紹介します。

 

 

睡眠中も顎の筋肉は働いています

食いしばりや歯ぎしりは、医学的には「ブラキシズム」と呼ばれます。

上下の歯を横にこすり合わせる動きを「グラインディング」、強く噛みしめる動きを「クレンチング」といいます。
一般的な歯ぎしりはグラインディング、食いしばりはクレンチングにあたります。

歯ぎしりは音が出ることがあるため、家族から指摘されて気づく場合があります。
一方、食いしばりは音がほとんど出ません。そのため、本人も周囲も気づかないまま続いていることがあります。

睡眠中に強く噛みしめたり、歯を繰り返しこすり合わせたりすると、顎を動かす筋肉に負担がかかります。
その結果、朝起きたときに顎や頬、こめかみなどに疲労感や重さを感じることがあります。

 

 

食いしばり・歯ぎしりによるサイン

食いしばりや歯ぎしりの影響は、顎の疲れだけではありません。

次のような症状が現れることがあります。

  • 朝、顎や頬の筋肉が疲れている
  • 口を大きく開けにくい
  • 噛んだときに特定の歯が痛む
  • 歯の先端が平らにすり減っている
  • 歯が欠けたり、細かな亀裂が入ったりする
  • 詰め物や被せ物が繰り返し外れる
  • 冷たいものが歯にしみる
  • 頬の内側や舌の縁に歯の跡がついている

ただし、これらの症状があるからといって、必ず食いしばりや歯ぎしりが原因とは限りません。
顎関節症やむし歯、歯周病などでも似た症状が現れるため、歯科医院で状態を確認することが大切です。

 

 

原因は噛み合わせだけではありません

以前は、歯ぎしりは噛み合わせの悪さによって起こると考えられていました。

しかし現在では、睡眠時のブラキシズムを噛み合わせだけで説明できる科学的根拠は確立していません。

睡眠中の脳や自律神経の活動、ストレス、生活習慣、飲酒、喫煙、服用している薬、睡眠呼吸障害など、複数の要因が関係すると考えられています。

ストレスが関係することはありますが、すべての食いしばりや歯ぎしりがストレスだけによって起こるわけではありません。
噛み合わせやストレスを原因と決めつけず、まずは歯や顎にどの程度の負担がかかっているかを確認することが重要です。

 

 

日中の食いしばりにも注意しましょう

食いしばりは、眠っている間だけに起こるものではありません。

仕事や家事に集中しているとき、パソコンやスマートフォンを操作しているときに、無意識に上下の歯を接触させていることがあります。

本来、食事や会話をしていないときは、上下の歯の間にわずかな隙間があります。
強く噛みしめていなくても、長時間歯を接触させ続けると、顎の筋肉や関節に負担がかかる可能性があります。

日中はときどき口元を確認し、「唇は閉じても、上下の歯は離す」「肩と顎の力を抜く」ことを意識してみましょう。

 

 

マウスピースで歯を守る方法もあります

歯科医院では、お口の状態に応じて、就寝時に使用するマウスピース(ナイトガード)を作製することがあります。

マウスピースには、歯や詰め物、被せ物を過度な力から守り、顎関節への負担を軽減できる可能性があります。

ただし、マウスピースを装着すれば、歯ぎしりそのものが必ず止まるわけではありません。
また、噛み合わせに合わないマウスピースは、かえって歯や顎に負担をかける場合があります。

市販品を自己判断で長期間使用せず、歯科医院でお口に合ったものを作製し、定期的に状態を確認することが大切です。

 

 

高田馬場で顎の疲れが気になる方へ

朝起きたときの顎の疲れを「寝不足だから」「年齢のせいだから」と放置していませんか。

食いしばりや歯ぎしりが続くと、歯のすり減りや亀裂、詰め物・被せ物の破損などにつながることがあります。

大切なのは、歯ぎしりを無理に止めようとすることではなく、歯や顎にどの程度の負担がかかっているかを確認し、必要な対策を行うことです。

高田馬場駅近くのいなげ歯科では、歯のすり減りや亀裂、詰め物・被せ物、歯周組織、顎の筋肉や関節の状態を確認します。

高田馬場駅周辺で歯医者をお探しの方、朝の顎の疲れや食いしばり、歯ぎしりが気になる方は、いなげ歯科へお気軽にご相談ください。

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参考文献・エビデンス

  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020・歯ぎしり」
  • 日本補綴歯科学会『ブラキシズムの診療ガイドライン―睡眠時ブラキシズムの治療(管理)について』
  • 日本補綴歯科学会『ブラキシズムの診療ガイドライン―睡眠時ブラキシズム患者に対する各種の検査について』
  • Lobbezoo F, et al. International consensus on the assessment of bruxism: Report of a work in progress. Journal of Oral Rehabilitation. 2018.




「最近、お口が乾くようになった」
「以前より口臭が気になる」
「食べ物が飲み込みにくい」

このような症状はありませんか?

その原因の一つとして、唾液の分泌量が減っている可能性があります。

高田馬場駅近くのいなげ歯科では、むし歯や歯周病を治療するだけでなく、大切な歯を長く残すための予防歯科に力を入れています。

今回は、毎日のお口の健康を支えている「唾液」の大切な働きについてご紹介します。


唾液は、お口を守る天然の防御システム

唾液は、単なる水分ではありません。

健康な成人では一般に1日約1~1.5リットル分泌され、食事や会話を助けながら、歯やお口の粘膜をさまざまなトラブルから守っています。

1.消化を助ける

食べ物をよく噛むと、唾液の分泌が促されます。

唾液には、でんぷんの消化を助ける酵素「アミラーゼ」が含まれています。また、食べ物を湿らせてまとまりやすくすることで、飲み込みやその後の消化を助けています。

 

2.飲み込みや会話をスムーズにする

唾液には、噛んだ食べ物をまとめて、飲み込みやすくする働きがあります。

唾液が少なくなると、次のような症状が現れることがあります。

  • 食べ物が飲み込みにくい
  • むせやすい
  • 話しにくい
  • 食事に時間がかかる
  • 口の中がヒリヒリする

特にご高齢の方にとって、「噛む」「飲み込む」「話す」といったお口の機能を保つことは、日々の生活の質にも関わります。

3.むし歯から歯を守る

食事をすると、お口の中は酸性に傾き、歯の表面からカルシウムやリンなどの成分が溶け出します。
これを「脱灰」といいます。

唾液には、酸性に傾いたお口の中を中性に近づけるとともに、溶け出した成分を歯に戻して修復を助ける「再石灰化」の働きがあります。

つまり、唾液は歯をむし歯から守り、初期の小さなダメージを修復する役割を担っているのです。

ただし、再石灰化によって修復できるのは、歯に穴が開く前の初期段階に限られます。
進行したむし歯を唾液だけで治すことはできません。

4.食事をおいしく感じさせる

食べ物の味は、その成分が唾液に溶け、舌の味覚細胞に届くことで感じられます。

お口が乾燥すると、

  • 味が薄く感じる
  • 食事がおいしく感じられない
  • 食欲が低下する

といった変化が起こることがあります。

「最近、味が分かりにくくなった」と感じる場合には、唾液の減少が関係しているかもしれません。

5.お口の中を清潔に保つ

唾液には、食べかすや細菌を洗い流す「自浄作用」があります。
さらに、細菌の増殖を抑えたり、お口の粘膜を乾燥や刺激から守ったりする働きもあります。

唾液が少なくなると、次のようなお口のトラブルが起こりやすくなります。

  • むし歯
  • 口臭
  • 口腔乾燥症
  • 舌や粘膜の痛み
  • 入れ歯による傷や違和感


唾液が減る原因は、加齢だけではありません

唾液の分泌量は、加齢だけでなく、次のような原因でも減少することがあります。

  • 水分不足
  • 服用している薬の影響
  • ストレスや緊張
  • 口呼吸
  • 全身疾患
  • 唾液腺の病気

特に8月は、暑さによって汗をかきやすく、体内の水分が不足しがちです。

お口の乾燥だけでなく、熱中症を予防するためにも、のどが渇く前からこまめに水分を補給しましょう。

 

唾液の分泌を促すためにできること

日常生活では、次のようなことを意識してみてください。

  • 一口ずつよく噛んで食べる
  • 水やお茶でこまめに水分を補給する
  • 噛むことに問題がなければシュガーレスガムを活用する
  • 口呼吸になっていないか確認する
  • 唾液腺マッサージを行う
  • 定期的に歯科医院でお口の状態を確認する

唾液腺のマッサージやガムの使用が適さない場合もあります。
お口の中に痛みや腫れがある方、飲み込みに不安がある方は、自己判断で行わず歯科医師へご相談ください。


高田馬場でお口の乾燥が気になる方へ

「口が乾く」「口臭が気になる」「以前より食べにくくなった」と感じる方は、年齢のせいと決めつけず、一度歯科医院で相談してみませんか。

高田馬場のいなげ歯科では、むし歯や歯周病の治療はもちろん、定期検診や予防歯科を通じて、大切な歯をできるだけ長く残すことを目指しています。

お口の乾燥には、生活習慣や服用している薬、全身の状態が関係していることもあります。
気になる症状をお聞きしながら、お口の状態を確認します。

高田馬場駅周辺で歯医者をお探しの方、お口の乾燥や口臭が気になる方は、いなげ歯科へお気軽にご相談ください。

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参考文献

  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020・むし歯」
  • 日本老年歯科医学会『口腔機能低下症に関する基本的な考え方』
  • Fejerskov O, Kidd EAM. Dental Caries: The Disease and Its Clinical Management.


夏だからこそ知っておきたい「酸蝕症」のお話

暑い夏になると、スポーツドリンクやビタミン飲料、健康ドリンクを飲む機会が増えてきます。

熱中症対策や体調管理には欠かせない飲み物ですが、「体に良い飲み物だから、歯にも安心」と思っていませんか?

実は、健康飲料やスポーツドリンクに含まれる「酸」によって、歯の表面が少しずつ溶けてしまう「酸蝕症(さんしょくしょう)」という病気があります。

むし歯や歯周病はよく知られていますが、近年では酸蝕症も歯の健康を損なう原因の一つとして注目されています。

高田馬場で予防歯科に力を入れているいなげ歯科でも、「最近歯がしみるようになった」「以前より歯が黄色く見える」といったご相談を受けることがあります。
その原因の一つが酸蝕症であることも少なくありません。

今回は、夏だからこそ知っていただきたい「飲み物と歯の健康」についてわかりやすくご紹介します。

 

 

飲み物には「pH(ペーハー)」があります

飲み物には、酸性・アルカリ性を示す「pH(ペーハー)」という数値があります。

一般的に、pH5.5以下になると歯の表面を覆うエナメル質は少しずつ溶け始めると考えられています。

むし歯は、むし歯菌が糖分を分解して作り出す酸が原因で起こります。

一方、酸蝕症は飲み物や食べ物そのものに含まれる酸によって歯が溶けてしまう病気です。

そのため、甘くない飲み物でも酸性が強ければ歯に影響を与えることがあります。

 

 

健康飲料でも油断はできません

健康を意識して選ばれることが多い

  • スポーツドリンク
  • ビタミン飲料
  • 栄養ドリンク
  • 黒酢飲料
  • 野菜ジュース
  • 炭酸飲料

これらの飲み物の中には、酸性度が高いものも少なくありません。

もちろん、これらを飲んではいけないということではありません。

問題になるのは、飲み方です。

例えば、

  • 少しずつ何時間も飲み続ける
  • 毎日何本も飲む
  • 就寝前に飲む
  • デスクワーク中にダラダラ飲み続ける

このような飲み方は、歯が酸に触れている時間が長くなり、酸蝕症のリスクを高めてしまいます。

 

 

歯を守るためにできること

健康飲料を楽しみながら歯を守るためには、少し飲み方を工夫するだけで十分です。

例えば、

  • ダラダラ飲みを避ける
  • 飲み終わったら水やお茶を飲む
  • 飲んだ直後はすぐ歯磨きをせず、30分ほど時間を空ける
  • 普段の水分補給は水やお茶を中心にする
  • スポーツドリンクは必要な場面で上手に利用する

このような習慣を心掛けることで、歯への負担を大きく減らすことができます。

 

 

夏休みはお口の健康を見直すチャンスです

夏は生活リズムが変わり、スポーツドリンクや健康飲料を飲む機会が増える季節です。

お子さまは部活動やスポーツ、高校生・大学生は屋外活動、大人も熱中症対策としてスポーツドリンクを利用することが多くなります。

その一方で、知らないうちに歯が酸にさらされる時間が長くなっていることもあります。

もし、

  • 最近歯がしみる
  • 前より歯が黄色く見える
  • 歯の先が薄くなったような気がする
  • 冷たいものが以前よりしみる

と感じるようでしたら、それは酸蝕症の初期サインかもしれません。

酸蝕症は初期であれば進行を抑えられることも多く、早めのチェックが大切です。

 

 

高田馬場で歯医者をお探しの方へ

定期検診では、むし歯や歯周病だけでなく、酸蝕症の初期症状についても確認できます。

いなげ歯科では、お一人おひとりのお口の状態や生活習慣を確認しながら、将来もご自身の歯を長く守るための予防歯科をご提案しています。

「スポーツドリンクをよく飲むようになった」

「歯がしみる気がする」

「健康飲料を毎日飲んでいる」

そんな方は、お気軽にご相談ください。

高田馬場で歯医者をお探しの方、予防歯科に力を入れている歯科医院をお探しの方は、ぜひいなげ歯科へご相談ください。

毎日の飲み物を少し意識することが、10年後、20年後もご自身の歯で食事を楽しむことにつながります。

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参考文献・エビデンス

本記事は、酸蝕症および飲料の酸性度に関する現在の知見をもとに作成しています。

参考文献

  • 北迫勇一「この飲み物はむし歯になりやすいかな?―健康飲料編―」nico 2007年10月号
  • 日本歯科保存学会『う蝕治療ガイドライン』
  • 日本口腔衛生学会『酸蝕症に関する基本的考え方』
  • Featherstone JDB. Dental Caries: A Dynamic Disease Process.
  • Lussi A, Jaeggi T. Dental Erosion: Diagnosis, Prevention and Management.

※本記事は一般的な歯科医療情報をわかりやすくお伝えすることを目的として作成しています。お口の状態は患者さんによって異なります。気になる症状がある場合は、お早めに歯科医院へご相談ください。


 

「特に痛いところもないから、今回の定期検診はお休みしよう。」

そんな理由で、歯科医院でのメインテナンスを中断してしまった経験はありませんか?

高田馬場駅の周辺で歯医者を探されている患者さんの中にも、「症状がないから大丈夫」と考えて足が遠のいてしまう方は少なくありません。
毎日お仕事や学業、家事などで忙しく過ごされていれば、ついつい後回しになってしまうお気持ちはとてもよく分かります。

しかし、お口の二大疾患である「むし歯」や「歯周病」は、自覚症状がないまま静かに進行していくのが一番の恐ろしさです。
「痛くなってから行く場所」から「痛くならないために行く場所」へ。
今回は、メインテナンスを中断することのリスクと、私たちがなぜ定期的な環境管理をおすすめするのか、その科学的な理由について詳しくお話しします。

 

 

メインテナンスの目的は「歯石取り」だけではありません

よく患者さんから「家で毎日ちゃんと歯を磨いているし、歯石もそんなに溜まっていないと思うから、まだ行かなくても大丈夫ですよね?」とご質問をいただくことがあります。
ここでぜひ知っていただきたいのは、歯科医院で行うメインテナンスの本質は、単なる「溜まった汚れを削り落とす作業」ではないということです。

プロフェッショナルによるメインテナンスには、科学的根拠に基づいた非常に重要な役割があります。

  1. バイオフィルムの徹底的な破壊

お口の中の細菌は、時間が経つと互いに結びつき、「バイオフィルム」という強固な膜を形成します。
これはキッチンの排水口にできるヌメヌメとした汚れと同じようなもので、毎日の丁寧なブラッシングだけでは完全に落としきることができません。
歯科医院でのメインテナンスでは、このバイオフィルムを専用の器具で徹底的に破壊・除去し、お口の中を安全な状態にリセットします。

  1. むし歯・歯周病の「超初期段階」での発見

精密な診査診断を行うことで、肉眼では見落としがちな微小なむし歯や、歯茎のわずかな炎症(歯周病の初期症状)を捉えることができます。
初期段階で発見できれば、大切な歯を大きく削る必要がなく、削らない「経過観察」や「予防処置」だけで対応できるケースが圧倒的に多くなります。
結果として、将来的に歯を失うリスクを最小限に抑える「保存治療」へとつながるのです。

 

 

歯周病は痛みがなく進行する「沈黙の病気」

メインテナンスを中断することで、最も目に見えないリスクが高まるのが「歯周病」です。

歯周病は、医学界では「サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)」と呼ばれています。その名の通り、初期段階では痛みやしみるような自覚症状がほとんどありません。
「歯みがきの時に少し血が出るかな?」と思う程度で、見過ごされがちです。

しかし、痛みが全くない間にも、歯周病菌は歯ぐきの奥深くへと侵入し、歯を支えている大切な骨(歯槽骨)を少しずつ、確実に溶かしていきます。
「歯がグラグラする」「急に歯ぐきが大きく腫れた」といった自覚症状が出た頃には、すでに重症化しており、最悪の場合は抜歯を余儀なくされるケースも珍しくありません。

当院が「症状がない時こそ、メインテナンスが最も価値を発揮する時間である」とお伝えしているのは、この痛みのない恐怖から患者さんの大切な自歯を守り、生涯にわたってご自身の歯で食事を楽しんでいただきたいからなのです。

 

 

なぜ「定期的」なメインテナンスが必要なのか?

お口の中の状態やリスクの高さは患者さんごとに異なりますが、歯科医学的なデータとして、破壊したバイオフィルム(細菌の膜)はおよそ3〜4ヶ月が経過すると、再び悪性度の高い状態(むし歯や歯周病を引き起こしやすい状態)に戻ってしまうことが分かっています。

つまり、細菌が再び悪さを働き始める手前のタイミングで定期的にプロの手でリセットをかけることが、お口の健康を維持するために最も効率的で、確実なアプローチなのです。

万が一、期間が空いてしまっていたとしても、どうぞ気になさらないでください。
事情があってブランクがあいたとしても、それを責めるようなことは決してありません。
むしろ「またお口の健康に向き合おう」と思われたその日こそが、これからの健康な人生を守るための素晴らしい新しいスタートです。

>>予防歯科はこちら

 

 

高田馬場で大切な歯を生涯守りたい方へ

いなげ歯科では、患者さん一人ひとりのお口のリスクやライフスタイルに寄り添い、科学的根拠(エビデンス)に基づいた最適な予防歯科とメインテナンスを行っています。

マイクロスコープやCTを用いた精密な診査のもと、単に疾患を「治す」だけでなく、トラブルの原因そのものを「作らない・再発させない」環境づくりをチーム医療でサポートいたします。

高田馬場駅近くで、5年後、10年後、そしてその先もずっとご自身の健康な歯を保ちたいとお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
皆様のご来院を、心よりお待ちしております。


 

高田馬場で予防歯科に取り組むいなげ歯科には、「どの歯磨き剤を選べばよいですか?」というご質問をいただくことがあります。

テレビCMやドラッグストアの売り場を見ると、「爽快感」「超クール」「ミント強化」などの言葉が並び、ついスースーする歯磨き剤ほど効果が高いように感じてしまいます。

しかし実際には、歯磨き後の爽快感と予防効果は必ずしも一致しません。

今回は歯磨き剤に含まれる「メントール」について、予防歯科の視点からお話しします。

 

 

スースーする正体はメントール

歯磨き後に感じる爽快感の多くは、メントールによるものです。

メントールはハッカやミントに含まれる成分で、口の中の冷たさを感じる神経を刺激することで清涼感を生み出します。

そのため、お口の中がさっぱりしたように感じますが、メントールそのものに歯垢(プラーク)を除去する働きがあるわけではありません。

つまり、爽快感はあくまで「感覚」であり、歯がきれいになったかどうかとは別の話なのです。

 

 

「磨けた気分」が落とし穴になることも

予防歯科で問題になるのは、メントールの爽快感によって「しっかり磨けた」と感じてしまうことです。

歯ブラシで歯垢を取り除くには、歯と歯の間や歯ぐきの境目まで丁寧にブラッシングする必要があります。

ところが、強い清涼感によって早い段階で満足してしまい、十分なブラッシング時間を確保できていないケースも少なくありません。

実際に歯科医院で染め出しを行うと、「毎日きちんと磨いているつもりだったのに」という方でも磨き残しが見つかることがあります。

予防歯科で大切なのは、スースーすることではなく、歯垢が確実に取り除けていることです。

 

 

お子さんや刺激が苦手な方は低刺激タイプもおすすめ

メントールは決して悪い成分ではありません。

ただし、小さなお子さんや刺激に敏感な方の場合、辛さによって十分な時間ブラッシングできなくなることがあります。

また、お口が乾きやすい方や粘膜が敏感な方では、刺激を強く感じることもあります。

そのような場合は低刺激タイプの歯磨き剤を選ぶことで、無理なくセルフケアを続けられることがあります。

 

 

歯磨き剤選びで本当に大切なこと

歯磨き剤を選ぶ際に大切なのは、メントールの強さではありません。

むし歯予防を重視するならフッ化物(フッ素)の濃度、歯周病予防を重視するなら抗炎症成分や殺菌成分、知覚過敏があるなら症状に対応した成分など、ご自身のお口の状態に合わせて選ぶことが重要です。

そして何より大切なのは、歯磨き剤よりも毎日のブラッシング習慣です。

どれほど高機能な歯磨き剤でも、歯ブラシが歯面にしっかり当たっていなければ十分な予防効果は期待できません。

いなげ歯科では、高田馬場で予防歯科に取り組む歯科医院として、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせたセルフケアのアドバイスを行っています。

歯磨き剤選びで迷われている方は、お気軽にご相談ください。

>>当院のアクセスはこちら

 

 

エビデンスコーナー

メントールは口腔内に清涼感を与える成分として広く使用されていますが、プラーク除去の主体は歯ブラシによる機械的清掃です。むし歯予防については、フッ化物配合歯磨き剤の継続使用が高いエビデンスレベルで推奨されています。フッ化物は歯の再石灰化を促進し、酸に対する抵抗性を高めることでむし歯発症リスクを低下させます。また、歯磨き後に少量のフッ化物を口腔内に残すことが予防効果の向上につながることも報告されています。歯磨き剤は爽快感だけで選ぶのではなく、自分のお口の状態に合った成分を選択することが大切です。

 

 

【参考文献】

・日本口腔衛生学会「フッ化物応用の科学」
・World Health Organization Oral Health Fact Sheet
・Cochrane Review: Fluoride toothpastes for preventing dental caries in children and adolescents


 

最近、「ホワイトニング」という言葉をよく耳にするようになりました。
高田馬場周辺でもホワイトニングサロンが増え、「歯医者のホワイトニングと何が違うの?」というご質問をいただくことがあります。

結論からお伝えすると、ホワイトニングサロンと歯科医院のホワイトニングは、目的も仕組みも異なります。

 

■ ホワイトニングサロンでできること

ホワイトニングサロンでは、歯の表面についた着色やくすみを落とし、見た目を明るくすることができます。

コーヒー、紅茶、ワイン、タバコなどによる「ステイン(着色汚れ)」を除去することで、歯本来の色に近づけるイメージです。

ただし、使用できる薬剤には制限があるため、歯そのものの色を変える“漂白”はできません。

 

■ 歯科医院で行うホワイトニング

歯科医院で行うホワイトニングは医療行為です。

過酸化水素や過酸化尿素など、医療機関でのみ使用できる薬剤を使い、歯の内部に作用させることで、歯そのものの色を白くしていきます。

また、歯科医院では単に白くするだけでなく、

・むし歯の有無
・歯ぐきの状態
・知覚過敏のリスク
・詰め物や被せ物との色調バランス

などを確認しながら、安全性に配慮して進めていきます。

 

■ 実は大切な「クリーニング」

ホワイトニングの効果をしっかり引き出すためには、事前のクリーニングがとても重要です。

歯の表面に着色や汚れが残っている状態では、ホワイトニングの効果が十分に発揮されないことがあります。

そのため、まずは専用の器具とペーストを用いたプロフェッショナルクリーニングで歯の表面を整え、その後ホワイトニングを行うことで、より自然で透明感のある白さにつながります。

 

■ どちらを選べばいいの?

目的によって選び方は変わります。

  • 軽く明るくしたい
  • 気軽に試してみたい
    →
    ホワイトニングサロン
  • しっかり白くしたい
  • 安全面も含めて相談したい
    →
    歯科医院でのホワイトニング

という選択になることが多いでしょう。

 

■ いなげ歯科のホワイトニングの考え方

いなげ歯科では、ホワイトニングを単なる“見た目の白さ”だけではなく、お口全体の健康管理の一部として考えています。

当院には、日本歯科保存学会の上級医が在籍しており、できるだけ歯を削らず、歯を残すことを大切にした診療を行っています。

また、CTやマイクロスコープなどの設備を活用し、お口の状態を丁寧に確認したうえで、一人ひとりに合った方法をご提案しています。

ホワイトニングに興味はあるけれど、

  • 自分に合っているのか分からない
  • 知覚過敏が心配
  • どこまで白くできるのか知りたい

という方も、お気軽にご相談ください。

「白くしたい」と思ったそのタイミングは、ご自身のお口と向き合う良いきっかけでもあります。

高田馬場でホワイトニングをご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

>>ホワイトニングページ

 

■ 参考文献・エビデンス

・Haywood VB, Heymann HO.
“Nightguard vital bleaching”
《Quintessence International, 1989》

・Joiner A.
“The bleaching of teeth: A review of the literature”
《Journal of Dentistry, 2006》

・Carey CM.
“Tooth whitening: what we now know”
《Journal of Evidence-Based Dental Practice, 2014》

・Kwon SR, Wertz PW.
“Review of the Mechanism of Tooth Whitening”
《Journal of Esthetic and Restorative Dentistry, 2015》

・日本歯科審美学会
「ホワイトニングに関するガイドライン」

・厚生労働省
「医療機関で取り扱う医療用ホワイトニング材に関する考え方」


高田馬場駅 戸山口から徒歩2分。
いなげ歯科です。

4月、新しい生活が始まるこの時期は、日々の習慣や健康について見直す良いタイミングです。
仕事や学校だけでなく、「歯科との付き合い方」についても、少し立ち止まって考えてみませんか。

今回は、私たちが日々の診療の中で感じている
「大人の歯科受診の現状とこれからの考え方」についてお話しします。

未処置のむし歯が約3割という現実

厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、
20
代以降の約3割の方が、治療されていないむし歯を持っているとされています。

また、年に1回以上歯科医院に通う人は約半数。
つまり、多くの方が歯科を受診しないまま日常生活を送っているというのが現状です。

むし歯や歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
気づいたときには進行しており、結果として大きな治療が必要になるケースも少なくありません。

「削る治療」から「守る医療」へ

歯科医院に対して、「削る」「痛い」「怖い」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし現在の歯科医療は、できるだけ削らない・抜かないための“診査・診断と予防”へと大きく変わっています。

いなげ歯科では、日本歯科保存学会の上級医が在籍し、
歯を残すための保存治療を重視しています。

CTやマイクロスコープなどの精密機器を用いて、
状態を正確に把握したうえで、
「本当に必要な治療だけを行う」という考え方を大切にしています。

精密な診断が、将来の選択を変える

歯科治療は、その場しのぎではなく、
将来を見据えた判断が重要になります。

例えば、

早期に発見できれば、小さな処置で済む
神経を残せる可能性が高くなる
歯の寿命を延ばすことにつながる

といった大きな違いが生まれます。

そのためには、
「痛くなってから」ではなく、
定期的に状態を確認することが何より大切です。

ご家族で通える歯科医院として

いなげ歯科では、
一般歯科から予防歯科、矯正歯科、小児歯科、審美歯科まで、幅広い診療に対応しています。

お子さまには、歯並びだけでなく呼吸や姿勢まで考えた成長期のサポートを。
大人の方には、見た目だけでなく機能や将来性を考えた治療を。

ご家族それぞれのライフステージに合わせて、
長く通っていただける歯科医院でありたいと考えています。

新年度のスタートに、まずは一度チェックを

もし、しばらく歯科医院に行っていない
痛みはないけれど不安がある
自分の状態をきちんと知りたい

そう感じている方がいらっしゃれば、
新年度のこの機会に、一度お口のチェックを受けてみてください。

これからの歯科との付き合い方

歯科医院は、
「治療のために行く場所」から、
「健康を守るために通う場所」へと変わりつつあります。

いなげ歯科は、
「できるだけ削らない・抜かない」ことを前提に、
患者さま一人ひとりにとって最善の選択を一緒に考えていきます。

新しい季節の始まりに、
お口の健康も見直してみませんか。

→いなげ歯科の予防歯科

こうした考え方は世界的にも広く支持されており、
定期的なメインテナンスと予防的介入が歯の喪失リスクを低減することは、
Cochrane Database of Systematic Reviews
(定期的歯科検診の有効性)や、
Axelsson & Lindhe
による長期追跡研究(予防プログラムによるう蝕・歯周病の抑制効果)など、
複数の研究によって示されています。