歯周病は「細菌」だけの病気ではありません

「歯みがきのときに血が出る」「歯ぐきが腫れぼったい」。
こうした症状に心当たりはないでしょうか。
歯周病は、歯垢(プラーク)の中の細菌が原因で歯ぐきに炎症が起き、やがて歯を支える骨が溶けていく病気です。
厚生労働省の調査では、4mm以上の歯周ポケットがある人は45歳以上で過半数を占めています。

ただ、歯周病は細菌さえいれば誰でも同じように進むわけではありません。
同じように歯垢がついていても、ほとんど進まない人もいれば、数年で歯がぐらつくほど進む人もいます。
その差をつくる大きな要因が「生活習慣」です。
1996年に国が「成人病」に代わって「生活習慣病」という考え方を打ち出した際、歯周病もその一つに位置づけられました。

 

 

歯周病を進めてしまう生活習慣

喫煙
喫煙は、歯周病の最も大きなリスク因子のひとつです。
喫煙者は吸わない人に比べて歯周病になりやすく、重症化しやすいことが多くの研究で報告されています。
さらに、タバコは歯ぐきの血流を悪くするため、本来なら出るはずの出血が抑えられ、炎症に気づきにくくなります。
「血が出ないから大丈夫」と思っているうちに、見えないところで進行していることがあるのです。
治療後の治りも悪くなるため、禁煙は歯周病治療の一部といえます。

糖尿病
血糖値が高い状態が続くと、体の抵抗力が落ち、歯周病が悪化しやすくなります。
一方で、歯周病の炎症は血糖のコントロールを妨げることもわかってきました。
歯周病と糖尿病は、互いに悪化させ合う「双方向の関係」にあるのです。
歯周病の治療によって血糖値の指標が改善したという報告もあり、内科と歯科の連携が大切になっています。

ストレスと睡眠不足
強いストレスや睡眠不足が続くと、免疫の働きが乱れ、歯ぐきの炎症が治まりにくくなります。
忙しい時期に歯ぐきが腫れた経験のある方も多いのではないでしょうか。
また、ストレスは食いしばりや歯ぎしりにもつながり、歯を支える組織に余計な負担をかけます。

食習慣とセルフケア
間食の回数が多い、やわらかい物ばかり食べるといった習慣は、歯垢がたまりやすい環境をつくります。
また、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは半分ほどしか落とせないといわれます。
フロスや歯間ブラシを使う習慣があるかどうかで、歯周病の進み方は大きく変わります。

 

歯科医院の治療と、毎日の習慣は「両輪」です

歯周病の治療では、歯科医院で歯石や歯周ポケットの中の汚れを取り除きます。
しかし、それだけでは十分ではありません。
生活習慣が変わらなければ、治療で落ち着いた歯ぐきも、やがて元の状態に戻ってしまいます。
歯周病が「生活習慣病」と呼ばれるのはそのためです。

だからこそ大切なのが、まず自分の状態を正しく知ることです。
いなげ歯科では、歯周ポケットの深さや出血の有無を測る検査、レントゲン、口腔内写真によって、お口の状態を数字と写真で記録しています。
治療前と治療後、そして定期検診のたびに結果を比べることで、生活習慣を見直した効果をご自身の目で確かめていただけます。
数字で変化が見えると、毎日のケアを続ける励みにもなります。

 

まずは検査から始めましょう

歯周病は、痛みが出にくく静かに進む病気です。
歯ぐきからの出血や口臭、歯のぐらつきなど、気になる症状があれば、早めに検査を受けることをおすすめします。
症状がなくても、喫煙習慣のある方や糖尿病と診断されている方は、一度歯ぐきの状態を確認しておくと安心です。

歯周病の検査や治療の流れ、費用については、「高田馬場の歯周病治療|いなげ歯科」のページで詳しくご紹介しています。
高田馬場駅 戸山口が最寄りの当院で、お口と全身の健康を一緒に守っていきましょう。

 

参考文献

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病の現状」
  • 公衆衛生審議会「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申)」1996年
  • 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編『歯周治療ガイドライン2022』
  • 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第3版 2023』
  • Tomar SL, Asma S. Smoking-attributable periodontitis in the United States: findings from NHANES III. J Periodontol. 2000;71(5):743-751.
  • Genco RJ, Borgnakke WS. Risk factors for periodontal disease. Periodontol 2000. 2013;62(1):59-94.
  • Preshaw PM, et al. Periodontitis and diabetes: a two-way relationship. Diabetologia. 2012;55(1):21-31.