冷たいものを飲むと、歯がキーンとするのは、なぜ?


 

冷たい水やアイスを口にした瞬間、歯が「キーン」としみる。
痛みはすぐに治まるものの、冷たいものを避けるようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この症状でよく知られているのが「知覚過敏」です。
しかし、冷たいものがしみる原因は知覚過敏だけではありません。
むし歯や歯の亀裂、詰め物の劣化などが隠れていることもあります。

今回は、冷たいものが歯にしみる仕組みと、考えられる原因についてご紹介します。

 

 

歯がしみるのは、象牙質が刺激を伝えるから

歯の表面は、身体の中でも特に硬い「エナメル質」に覆われています。
その内側にあるのが「象牙質」です。

象牙質には、歯の中心にある神経へ向かって伸びる細い管が無数にあります。
エナメル質や歯ぐきによって守られている間は、通常、冷たいものが触れても強い刺激は伝わりません。

ところが、何らかの理由で象牙質が露出すると、冷たいものによって管の中の液体が動き、その刺激が神経に伝わります。
これが、歯が一瞬「キーン」とする主な仕組みです。
現在は「動水力学説」と呼ばれる考え方が、象牙質知覚過敏の仕組みとして広く受け入れられています。(pmc.ncbi.nlm.nih.gov)

 

 

象牙質が露出する原因

象牙質が露出する代表的な原因の一つが、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」です。

歯周病や加齢だけでなく、力を入れすぎた歯磨き、硬い歯ブラシの使用、食いしばりや歯ぎしりなどが関係することもあります。
歯ぐきが下がると、それまで隠れていた歯の根元が露出します。
歯の根元はエナメル質で覆われていないため、刺激に敏感です。

酸性の飲食物にも注意が必要です。
炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘類、酢を多く使った食品などを頻繁に摂ると、歯の表面が少しずつ溶けることがあります。
これを「酸蝕症」といいます。

歯磨きの力、食生活、歯ぎしりなど、複数の要因が重なって症状が現れることも珍しくありません。

 

 

「冷たいものがしみる=知覚過敏」とは限りません

知覚過敏の場合、一般的には冷たいものや歯ブラシが触れたときに鋭く痛み、刺激がなくなると比較的短時間で治まります。

一方、次のような状態でも冷たいものがしみることがあります。

  • むし歯
  • 歯に入った細かな亀裂
  • 詰め物や被せ物の隙間、劣化
  • 歯の神経の炎症
  • 歯周病による歯ぐきの退縮
  • ホワイトニング後の一時的な症状
  • 歯科治療後の一時的な反応

知覚過敏は、ほかの歯の病気では説明できない場合に診断されます。
症状だけで自己判断するのではなく、原因を確認することが大切です。(pmc.ncbi.nlm.nih.gov)

 

 

自宅で気をつけたいこと

歯がしみるときは、硬い歯ブラシで強く磨くことを避け、やわらかめの歯ブラシを軽い力で動かしましょう。
汚れを落とそうとして強く磨くと、歯ぐきや歯の表面に余計な負担をかけることがあります。

知覚過敏を抑える成分が配合された歯磨き剤を継続して使用する方法もあります。
ただし、歯磨き剤で一時的に症状が軽くなっても、むし歯や歯の亀裂が治るわけではありません。

また、酸性の飲み物を長時間かけて少しずつ飲む習慣や、就寝前に飲む習慣がある方は、摂り方を見直してみましょう。

 

 

歯科医院では原因に合わせて対応します

知覚過敏には、しみる部分に薬剤を塗布する方法や、露出した象牙質を材料で覆う方法があります。
歯ぎしりや食いしばりが関係している場合には、歯の摩耗や亀裂、噛み合わせなども確認します。

むし歯、歯周病、詰め物の不具合などが原因であれば、それぞれに応じた治療が必要です。

特に、痛みが長く続く、何もしていなくても痛む、夜中に痛む、噛むと痛い、歯ぐきが腫れているといった場合は、知覚過敏ではなく歯の神経や歯周組織に問題が起きている可能性があります。
早めに歯科医院を受診してください。

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高田馬場で歯のしみが気になる方へ

冷たいものがしみる症状は、歯から送られてくる小さなサインです。
「知覚過敏だから」と決めつけて放置すると、むし歯や歯の亀裂などの発見が遅れることがあります。

高田馬場駅近くのいなげ歯科では、しみる場所だけを見るのではなく、むし歯、歯周病、歯ぐきの退縮、歯のすり減り、亀裂、詰め物や被せ物の状態などを確認し、原因に応じた対応をご提案します。

高田馬場駅周辺で歯医者をお探しの方、冷たいものを飲んだときの歯のしみが気になる方は、お気軽にご相談ください。

 

 

執筆・監修:いなげ歯科 院長 稲毛寛彦

代表的な文献・エビデンス

  • Canadian Advisory Board on Dentin Hypersensitivity. Consensus-based recommendations for the diagnosis and management of dentin hypersensitivity. J Can Dent Assoc. 2003.
  • Holland GR, et al. Guidelines for the design and conduct of clinical trials on dentine hypersensitivity. J Clin Periodontol. 1997.
  • Liu XX, et al. Pathogenesis, diagnosis and management of dentin hypersensitivity: an evidence-based overview for dental practitioners. BMC Oral Health. 2020.
  • Grover V, et al. ISP Good Clinical Practice Recommendations for the management of dentin hypersensitivity. J Indian Soc Periodontol. 2022.