高田馬場で予防歯科に取り組むいなげ歯科には、「どの歯磨き剤を選べばよいですか?」というご質問をいただくことがあります。
テレビCMやドラッグストアの売り場を見ると、「爽快感」「超クール」「ミント強化」などの言葉が並び、ついスースーする歯磨き剤ほど効果が高いように感じてしまいます。
しかし実際には、歯磨き後の爽快感と予防効果は必ずしも一致しません。
今回は歯磨き剤に含まれる「メントール」について、予防歯科の視点からお話しします。
スースーする正体はメントール
歯磨き後に感じる爽快感の多くは、メントールによるものです。
メントールはハッカやミントに含まれる成分で、口の中の冷たさを感じる神経を刺激することで清涼感を生み出します。
そのため、お口の中がさっぱりしたように感じますが、メントールそのものに歯垢(プラーク)を除去する働きがあるわけではありません。
つまり、爽快感はあくまで「感覚」であり、歯がきれいになったかどうかとは別の話なのです。
「磨けた気分」が落とし穴になることも
予防歯科で問題になるのは、メントールの爽快感によって「しっかり磨けた」と感じてしまうことです。
歯ブラシで歯垢を取り除くには、歯と歯の間や歯ぐきの境目まで丁寧にブラッシングする必要があります。
ところが、強い清涼感によって早い段階で満足してしまい、十分なブラッシング時間を確保できていないケースも少なくありません。
実際に歯科医院で染め出しを行うと、「毎日きちんと磨いているつもりだったのに」という方でも磨き残しが見つかることがあります。
予防歯科で大切なのは、スースーすることではなく、歯垢が確実に取り除けていることです。
お子さんや刺激が苦手な方は低刺激タイプもおすすめ
メントールは決して悪い成分ではありません。
ただし、小さなお子さんや刺激に敏感な方の場合、辛さによって十分な時間ブラッシングできなくなることがあります。
また、お口が乾きやすい方や粘膜が敏感な方では、刺激を強く感じることもあります。
そのような場合は低刺激タイプの歯磨き剤を選ぶことで、無理なくセルフケアを続けられることがあります。
歯磨き剤選びで本当に大切なこと
歯磨き剤を選ぶ際に大切なのは、メントールの強さではありません。
むし歯予防を重視するならフッ化物(フッ素)の濃度、歯周病予防を重視するなら抗炎症成分や殺菌成分、知覚過敏があるなら症状に対応した成分など、ご自身のお口の状態に合わせて選ぶことが重要です。
そして何より大切なのは、歯磨き剤よりも毎日のブラッシング習慣です。
どれほど高機能な歯磨き剤でも、歯ブラシが歯面にしっかり当たっていなければ十分な予防効果は期待できません。
いなげ歯科では、高田馬場で予防歯科に取り組む歯科医院として、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせたセルフケアのアドバイスを行っています。
歯磨き剤選びで迷われている方は、お気軽にご相談ください。
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エビデンスコーナー
メントールは口腔内に清涼感を与える成分として広く使用されていますが、プラーク除去の主体は歯ブラシによる機械的清掃です。むし歯予防については、フッ化物配合歯磨き剤の継続使用が高いエビデンスレベルで推奨されています。フッ化物は歯の再石灰化を促進し、酸に対する抵抗性を高めることでむし歯発症リスクを低下させます。また、歯磨き後に少量のフッ化物を口腔内に残すことが予防効果の向上につながることも報告されています。歯磨き剤は爽快感だけで選ぶのではなく、自分のお口の状態に合った成分を選択することが大切です。
【参考文献】
・日本口腔衛生学会「フッ化物応用の科学」
・World Health Organization Oral Health Fact Sheet
・Cochrane Review: Fluoride toothpastes for preventing dental caries in children and adolescents






